『自己肯定感は高くないとダメなのか』書評
- 著者
- 榎本博明
- 出版社
- 筑摩書房(ちくまプリマー新書)
- 形式
- 新書・批評
- ASIN
- 4480685197
本の中身
他の4冊が「どう高めるか」を扱うのに対し、本書は「高くないとダメなのか」と問い直す批評の書です。自分に満足できない感覚を心の成熟や向上心の証と捉え、焦りから読者を降ろそうとします。ちくまプリマー新書は中高生向けで、語り口は平易です。
問い直しの核は4点です。第一に、日本の若者の自己肯定感が極端に低いという国際比較は、謙遜を美徳とする文化差を反映するという見方。第二に、自尊感情尺度には文化的要因が反映されず、尺度自体があいまいだという批判。第三に、ほめる教育は他人の評価に依存する心をつくり、メタ認知と自己コントロール力を育ちにくくするという指摘です。
第四の核は、自己肯定感は小手先のテクニックで上げるものではなく、日々葛藤しながら生きる中で少しずつ高まり、安定していることが本質だという立場です。
位置づけと著者
2025年3月刊・192ページ。著者の榎本博明は心理学者で、東京大学教育学部教育心理学科卒、博士(心理学)。名城大学教授、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て、現在はMP人間科学研究所代表です。専門は自己心理学、教育心理学、パーソナリティ心理学です。
正直な注意点
こんな人に / 向かない人
- 「自己肯定感を上げなければ」という圧力そのものを疑ってみたい人
- 国際比較、尺度、ほめる教育、安定性という4つの核から議論を読みたい人
- まず励ましや支えが必要な状態の人には向きません。即効ワークを求める人にも合いません
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